カブクワとレコードとときどきメジナ

主にカブトムシクワガタの飼育にまつわる独り言です。

名盤紹介☆ 『Black and Blue/The Rolling Stones』(1976年)

『Black and Blue/The Rolling Stones

思いつくままに、自分が大好きなロックの名盤のことをたま~にゆる~く書いていこうと思います。

 


楽器も満足に弾けないその辺の一般人の音楽レビューなんて誰が興味あんのって話ですが、今30代の自分がいろいろな作品に対して現状感じていることを記録しておくと、20年後30年後と感受性が変化したときに振り返ってみると面白いかな~ということで、完全自己満足のレビューです。

 

さて、一発目はどれにしようかなと考えると、やっぱり一番好きなバンド、The Rolling Stonesの作品からでしょう!ということで、じゃあ次に彼らの数ある名盤の中からどれを書こうかな~と考えたとき、パッと頭に浮かんだのが不思議とこのアルバムでした。

 

ストーンズの傑作アルバムと言えば、言うまでもなく1968年~1972年の黄金期に発表された『ベガーズバンケット』『レットイットブリード』『スティッキーフィンガーズ』『メインストリートのならず者』の4枚のアルバムでしょう。

4枚ともいつ聴いても新しい発見がありますし、何度聴いても新しい感動がある、本当に素晴らしい大傑作です。バンドとしてのアンサンブルも、間違いなくこの時期が一番充実しています。


そのほかにも、ソリッドなロックロールに徹した『イッツオンリーロックンロール』(74年)、70年代の最高傑作『女たち』(78年)、80年代の傑作『刺繍の男』なども素晴らしい作品群ですし、ブルーズのカバー『ブルー&ロンサム』(16年)や最新作『ハックニー・ダイアモンズ』(23年)も近年ではかなりいいアルバムだったと思います。


他にも『アフターマス』、『山羊の頭のスープ』、『エモーショナル・レスキュー』などなど、ほんとにストーンズは語りたくなる名作アルバムだらけです。

 

一方でこの『ブラックアンドブルー』、ストーンズのカタログの中では比較的語られることの少ない作品ですし、一般のロックファンの方にはあまり印象のない作品かもしれません。

 

どっちかって言うと彼らのキャリアではニッチな作品になると思います。

ただ、このアルバムにはこのアルバムにしかない「よさ」があるし、ちょっとしたマイナー感含め、このアルバムが個人的に大好きなんですよね。
なんなんでしょうね、メジャーなものよりもマイナーなもののほうをちょっとひいき目に評価してしまう心理って。


まあいいや。

 

作品の中身に触れますと、まずこれまでとは違うごちゃまぜのジャンルに驚かされます。
アルバムタイトルに「ブラック」を名乗っていますが、ストーンズから連想するブルーズやR&B、カントリーといったジャンルからは少し離れ、ソウル、ファンク、ジャズ、レゲエと、幅広く新しいジャンルにチャレンジしていて、聴いていてアルバム通しでとても楽しめます。


各パートのプレイスタイルも、他の作品と微妙に違う感じがするんですよね。


技術的なことは言えませんが、1曲目の「Hot Staff」、5曲目の「Hey Negrita」といったファンキーなナンバーでは、キースのギタープレイが非常にアグレッシブでハッスルしていますし、2曲目の「Hand Of Fate」のギターリフもキレがあって最高に格好いいです。


スローなナンバーも聴かせる曲が多く、名バラード「Memory Motel」やジャズ・ブルーズを思わせる「Melody」なんかは、南部アメリカを思わせる泥臭さはなく、都会的で洗練された魅力のある曲です。


特に「Memory Motel」は、ミックとキースが珍しく二人でリードボーカルしてますし、キースはエレピ弾いてますし、チャーリーにしては手数の多いドラミングを叩いていて、過去の曲とは全然違ったサウンド!ミックのボーカルも最高に煽情的ですし、今までとは一味違ったストーンズ屈指の名バラードだと思います。

ちなみにウォルラスにとってこのアルバムのフェイバリットです。

 

なんでこのアルバムだけどことなく他の作品とまとってる雰囲気が違うのか考えると、1つは長年バンドを支えた天才ギタリスト・ミック・テイラーが抜けた直後の作品であること。


それと、この作品の収録が、後任ギタリストのオーディションと同時平行で行われていたという、(いわゆる「グレイト・ギタリスト・ハント」)そういったバンドにとって過渡期の作品だからだと思います。

(結果、後任ギタリストはご存じ今もバンドに在籍しているロン・ウッドに決まりますが、このアルバムでは3曲くらいしか弾いてません。)


そういった過渡期の作品だからこそ、いい意味で力の抜けた、チャレンジ的な曲づくりや演奏ができていたのかなと思いますし、

前後の作品とはまた違った無二の雰囲気・魅力が感じられるんだと思います。

あと、ビリー・プレストンの貢献も大きいですね。


曲数が少なくすっきりしているのもアルバムとして◎です。

やっぱり曲数は多いよりも少ないほうがアルバムとして好きです。
アルバムを通しで聴くときに、16曲とか18曲とかあると、どんなに粒ぞろいの名盤でも正直ちょっとしんどいですもん笑

 

コーラスなんか結構適当な曲ありますし、なんとなくバンドのアンサンブルもまとまってない感じもあって、スティッキーフィンガーズみたいに「完成されてる!」って感じでは全くありません。


「名盤」って呼ぶのも何か違うのかもしれません。


それでも、間違いなくストーンズのこの時期にしか存在しない独特な魅力に溢れたアルバムですので、黄金期の作品しか聴いたことないって人は、ぜひともこのアルバムを手に取ってみてください。


きっと、これまでとは違うストーンズを楽しめると思います。


書いてたら聴きたくなったので、アルバム1周聴いて寝るとします。

 

へっぽこレビューを最後までお読みいただきありがとうございました。

 

アルバム評価:★★★★☆(星4つ)